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監禁事件公判 女性両親「9年埋まらない」

 三条市の女性(20)が柏崎市内で監禁されていた事件で、略取・逮捕監禁致傷などの罪に問われている柏崎市四谷一、無職・佐藤宣行被告(38)の第5回公判が5日午後、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれ、精神鑑定中の佐藤被告も出廷する中、被告の母親(74)と被害者女性の両親の証人尋問が行われた。女性の両親は「9年の時間は埋まらない」と涙ながらに無念さを訴えた。

 被告の母親は日常生活に必要な酸素ボンベをかたわらに置き、証言台に立った。弁護側、検察側、裁判官からの質問は被告の生い立ち、通院歴、家庭での暴力など多岐にわたり、この中で母親は被告自身の潔癖性が中学1年からひどくなったことなどを証言した。また被告とのかかわり方について、「高齢で生んだ子だから、かわいがってしまった。甘やかしたつもりはないが、欲しがるものは何でも買ってやった」と話した。

 母親は、4、5年前からは被告から暴力を受け、最近は手をテープで縛られたり、スタンガンを押し当てられていたという。被告の部屋には中・高校生の時から入っておらず、女性発見時に部屋に入り、「女性を見た時、頭が真っ白になった」と語った。証言が終わると裁判所職員10数人に囲まれ、目張りをした乗用車に乗り、裁判所をあとにした。

 休廷後、被害者の両親が証言台に立ち、女性の近況、被告への思い、心境について語った。女性は入院中で、身内以外の人とは会っておらず、階段を上る時にはまだ足取りがしっかりしていないという。また、興味のあるテレビ番組は競馬、F1、野球、 音楽など佐藤被告の好きだった番組と重なり、9年2カ月の重さを感じさせた。

 女性は親族以外に自分から人に会うことはなく、「私の頭の中は小学校4年生でギャップがある。人には会ってみたいというより、こっそりのぞいてみたい」と話しているという。母親が出廷することを伝えられると、母親が裁判所で被告と同じ空気を吸うことに強い嫌悪感を示し、佐藤被告に対して「私の前から、すべての人の前からいなくなってほしい」と話しているとした。

 女性の母親(46)は「子育ての楽しみを奪われた。(佐藤被告は)何年か後に出てくると思うが、その時が怖い。安心して暮らしていけない」と語った。父親(48)は大きな声で「9年、10年の時間が埋まりません」と心境を涙を見せながら訴えた。被告に対して「時間を戻し、やり直しができるようにしてほしい。憎いとか辛いとかの気持ちを言葉に出すことがもったいない」と話した。

 次回公判は被告の精神鑑定終了後に行われる。

(2000/12/ 6)

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