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ラピカ問題で不当交付金2億6,054万円

 刈羽村生涯学習センター「ラピカ」で安価な材料が使われるなど、村の知らない多数の設計変更が行われていた問題で、会計検査院は30日、不当な交付金は2億6,054万円余りとする決算検査報告を小泉純一郎首相と国会に提出した。電源三法交付金事業で不当事項を報告するのは、1969年の同交付金制度発足以来初めて。ずさんな手続きで建設費55億円の事業執行が不適切だったと判断した。交付金を出した経済産業省は検査報告に沿って、年内にも村に交付金返還命令を下す方針だ。

 検査院は報告で竣(しゅん)工図と現状との相違は全部で248項目としたが、このうち69項目は妥当性を明確に判断できなかった。外構工事は27項目だった。茶道館は畳や柱が安価な材料に変更されているなど交付目的に沿っていないと断じ、工事費の約6,380万円が、本館、陶芸工房については機能、品質が劣る4項目など106項目の相違を指摘して約9,745万円が不当な交付と認定した。

 また、施工監理は目的を達していないとして全額の約7,800万円を計上した。交付金を交付した経済産業省は10月に発表した報告で、施工監理費の一部約400万円を含む約1億4,000万円が不適切としたが、検査院は残る監理費全額と茶道館工事費を上積みした形だ。

 このほか、備品購入は見積もりを1社からしか取らないなど算定方法が不適切としたが、購入価格そのものが割高とは明確に判断できなかった。源土運動広場については産業廃棄物などの混入を指摘し、「混入が広範囲であれば利用に支障が生じる恐れもある」とも言及。ゲートボール場の地盤沈下は一部で予測を上回るが、正確な沈下予測の難しさから、現状ではやむを得ないと結論づけた。

 1995年度の交付金事業だった当初設計書は村が設計変更の手続きを取らずに一部を差し替え、保存期間の五年が過ぎないうちに原本を処分した。工事費算定の基となった単価、数量資料も失われたため、全容解明には至らなかった。

 鈴木良明上席調査官らは原発交付金事業で不当事項の指摘は前例がないとし、「これだけ巨額の事業を村がやるのは珍しい。これだけ書類がなくなるのも聞いたことがない」と述べた。材料の出荷証明書は部分的に確認し、骨材などは品質証明書で調べたと説明したが、未解明部分が残ることについては「1年余りをかけて結論を出し、できる限りのことをした。我々に捜査権はない」とも述べ、職務の限界をのぞかせた。

 問題の原因としては、大規模事業における村の執行体制のぜい弱さ、東北通産局(当時)の審査や現地確認の不十分さなどを挙げた。今後、新たな事実が浮上した場合、「基本的には事業執行者の村と経済産業省の判断だ」とし、推移を見守る考えを示した。

(2001/11/30)

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