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県立美術館構想で検討委が性格などただす

 柏崎市が建設候補地に挙がっている新たな県立美術館構想をめぐり、県は20日、新潟市で新文化施設整備検討委員会(原田新司委員長、委員数7人)の第1回会合を開いた。美術館構想は日本画家・平松礼二氏から作品400点余りを寄贈する申し出を受けたことから、柏崎市内学園ゾーン内に整備する仮称・環境共生公園への設置が提案されたもので、委員の一部が厳しい県財政の中で新施設建設に懸念を示したものの、全体的には県の構想案の方向で今後検討を深めることになった。

 美術館構想は平松氏から、パリ郊外のジヴェルニーにある「モネの庭」から株分けされたスイレン、同氏がその庭で描いた作品を含む400点余りの寄贈と、これらを活用して地域おこしや生涯学習に役立ててほしいとする申し出が県に行われたことによるもの。

 検討委では新美術館の建設構想の経緯、2月県議会での議論を踏まえ、建設の意義やあり方、建設場所などを全県的な視野で検討してもらうことを目的にした。委員は美術関係者、公募で選ばれた県民ら7人。(1)寄贈予定作品の価値(2)新美術館のあり方(3)建設の必要性(4)建設場所――の四点を中心に検討する。

 この日の県の説明では、新美術館のコンセプトには「学校教育・生涯学習活動との連携を重視」「実技・創作を主体とした参加型」「庭園と一体化し、自然と調和」を挙げており、設置場所を環境共生公園予定地内。設置主体は県で、県立美術館の分館とする。「モネの庭」と一体的に整備し、効果的に活用することで、本県文化の振興、地域振興に役立てたいとした。

 県側の説明を踏まえ、委員が質疑を交わした。この中で、「新美術館はどういう性格にしたいのか」との質問に対し、県側は「平松氏個人の美術館という構想はない。長岡の近代美術館が収蔵するジャポニズム作品をあわせて展示する方向で考えたい」と答えた。県の財政健全化計画で事業費が10億円以上の施設建設は原則凍結することとの整合性がただされ、板屋越麟一県教育長は「絵の価値も含めて総合的な判断が必要だ。これだけの作品を寄贈してもらえるのは千載一遇のチャンス。県民の大きな財産になる」と述べた。

 また、「400百点もの寄贈を受けるにはそれなりの覚悟が必要だ」との指摘に、板屋越教育長は「維持管理費は覚悟している」とした上で、全部の作品を受け入れるかどうかは今後の検討になるとした。

 引き続いて行われた意見交換では、委員から「柏崎は洲崎義郎氏をはじめ、昔から美術に縁の深い都市だ。長岡、新潟、柏崎と分散させ、美術館を造った方がいい」

 「参加型の美術館教育という試みであればいいと思う」「全県の子供、高齢者を対象にし、長岡・十日町・柏崎をネットでつなげてほしい」などの意見や要望も出された。次回会合は7月下旬から8月上旬。

(2002/ 6/21)

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