PHOTOニュース

西山コラボ特産品セットの参加メンバー (2024/03/26)


柏崎信金の創立100周年を記念した音楽イベント「目で聴くコンサート」。つのださん(左)のプロデュースで、子どもたちは骨伝導ヘッドホンを付け、ドラム演奏などを楽しんだ=23日、アルフォーレマルチホール (2024/03/25)


高柳小の閉校式で校歌に声をそろえる児童や地域住民ら=22日、同校 (2024/03/23)

>>過去記事一覧
蓮池さん・奥土さん15日帰国

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件で政府は9日、北朝鮮で生存が確認された柏崎の蓮池薫さん(45)、奥土祐木子さん(46)ら5人の被害者が15日に一時帰国することが決まったと発表した。滞在は1、2週間程度。北朝鮮側の説明で子供の同伴は被害者本人の意向で見送られたとされ、家族連絡会、支援団体は引き続き、子供を含む家族全員の帰国を求めていく考えだ。

 蓮池さん、奥土さんは1978年7月31日、北朝鮮工作員によって語学養成のため市内中央海岸から拉致された。一時帰国が実現すると、24年ぶりの帰国、家族との再会となる。政府から説明を受けた家族連絡会事務局長の蓮池さんの兄透さん(47)が同日午後、「北朝鮮は子供の帰国についてもある程度考えているということなので了承した」と柏崎の家族に連絡した。

 市内土合、蓮池さんの父親秀量さん(74)は子供を残したままの一時帰国に「手放しでは喜べない。期待半分、不安半分。家族全員で、子供たちも連れてきてほしかった」と複雑な胸中をのぞかせ、「息子が北朝鮮に帰るまでに本心を聞きたい。1日でも早く日本の地を踏ませ、永住させてやりたい」と述べた。母親ハツイさん(70)は「私の中には20歳のころのあの子しかない。会ってみないと、どんな言葉をかけていいか分からない。24年間よく頑張ってくれた、くらいしか言えない」と突然の知らせに戸惑い、「家で静かに休ませてあげ、白いご飯でも食べさせてやりたい。24年間の空白を少しずつ埋めていくしかない」と話した。

 市内平井、奥土さんの父親一男さん(75)は「あの子がどんな生活をしていたか詳しく聞きたい。24年ぶりに会うのは不思議だな、という感じがする。なごやかに思い出話をしたい」と再会に思いをはせた。「家族全員を帰してほしい」と訴える一方、「親が日本人とは子供にも話していないようだ。子供は学校もあるし、子供の問題は大きい。どうして日本に行くんだろうという気持ちではないか」と孫への気遣いも見せた。母親シズエさん(72)は「会えば実感もわくのだろうが、涙で何も言えないかも知れない。あの子が好きだったシュークリームを買って待ってやりたい」と話した。

 蓮池さんの高校時代の同級生で、「再会をめざす会」会長の小山雄二さん(45)は「両親と早期に会えることになり、進展の第一歩だ」と評価する一方、「最終的な原状回復にはまだ遠い。当人たちが一時帰国をしたからといって、子供も含めた全面解決ではない」と述べた。「これでよしでなく、死亡とされた八人の生存を信じ、真相究明を求めるべきだ。同級生としては長い目で見守りたい」と話した。

(2002/10/10)

※柏崎日報社掲載の記事・写真は一切の無断転載を禁じます。


すべての著作権は柏崎日報社および情報提供者に帰属します。新聞記事・写真など、柏崎日報社の著作物を転載、利用するには、原則として当社の許諾を事前に得ていただくことが必要です。掲載についてのお問い合わせは、お電話 0257-22-3121 までご連絡ください。