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甲府の失跡女性、18年ぶり父親現場に

 1984年6月、山梨県甲府市の自宅を出たまま行方不明になった山本美保さん=当時(20)=の父親光男さん(67)が11日、娘のセカンドバッグが見つかった柏崎市の荒浜海岸を18年ぶりに訪れた。今年7月に現場を訪れた双子の妹・森本美砂さん(38)も同行し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致の疑いがあるとして柏崎署に新たな情報を求めた。同署は行方不明事件として失跡当時の状況などを調べている。

 美保さんは「図書館に行く」と自宅を出たまま帰らず、4日後に荒浜海岸で本人の免許証などが入ったバッグが見つかったと警察から連絡があった。翌日、両親ら3人が現場を訪ね、新潟、直江津でフェリーの乗船名簿を調べたが、美保さんの名前はなかった。柏崎署の拾得物記録は保管期間を過ぎて処分され、拾い主や拾われた日時、状況は不明だ。

 美保さんは小学6年の夏、家族で佐渡旅行をしたことはあるが、柏崎とのつながりは家族に思い当たらない。美保さんのバイクが見つかった甲府駅から柏崎までの足取りは不明。妹の美砂さんは拉致報道を受けて今夏、荒浜町内会などを訪ね、情報提供を呼び掛けた。9月の日朝首脳会談で北朝鮮が日本人拉致を認めたことから、家族は会見を開き、山梨に支援の会もできた。被害者救出新潟の会も、美保さんなど政府が認定した以外の失跡事件の再調査を県警本部に申し入れた。その後も国内から消息情報、手掛かりはなく、家族は拉致の疑いを強めている。

 北朝鮮による拉致被害者5人の帰国を前に父娘は10日、柏崎を訪れた。11日朝、18年ぶりに荒浜海岸を訪れた父親の光男さんは「松林を抜けて浜に出た覚えがある。こんな寂しい浜になぜ娘のバッグが──と思った」と振り返った。砂を埋め戻したような形跡はないかと松林の中を探し回った。近くの釣り人が前日夕、「若い女性が浜のボートに座っていた」と話したが、目撃されたのはバックが届けられた後で、着衣に若干の違いがあった。山本さんは「娘のことを思い出す」と浜に立ち、「生存者の証言から政府が拉致被害者として認定してくれないと解明は難しい」と話した。

(2002/10/11)

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