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蓮池さん夫妻、新年の願い「家族と自由に」

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から帰郷した拉致被害者の蓮池薫さん(45)、妻の祐木子さん(46)は27日、市役所で記者会見し、「拉致は犯罪で許し難いこと」「残った家族の人生まで狂わせるひどい犯罪行為」と初めて厳しい言葉で拉致について述べた。北朝鮮のバッジを外し、問題解決を願う青いリボンを胸に2人は「来年は、子供と家族水入らずで将来の設計に踏み出せる年に」「家族で話し合い、自由に生きていけたら」と話し、25五年ぶりに日本で迎える新年に願いを込めた。

 薫さんは「激動の年。予想できない出来事の連続だった」と振り返り、「最初は流れに身をまかせていたが、自分の意思で日本にとどまり、子供を待つと決意できたのは良かった。悔いはない」と述べた。子供の帰国問題が長期化しても、第三国で会う案は「私たち家族の問題を外交カードに利用するもので、受け入れ難い」と否定。「日本で待つことに妥協も譲歩もない。私たちは好きで北朝鮮に行ったわけではない」と強い口調で早期帰国を求めた。

 祐木子さんは「日本に帰れるとは思っていなかったが、両親が元気なうちに私たちが生きていることを伝えたかった」と当時の心境に触れ、「うそのような年だった」と笑顔を浮かべた。24年間でつらかったことは「夫を日本に帰したと聞いた時」、うれしかったことは「夫と再会し、結婚し、子供ができた時」と答え、「24年は長い歳月で、お互い頑張って生きてきたなと思う」と述べた。

 薫さんは「拉致され、向こうで住まざるを得なかったのは残念だが、無駄だったとは思いたくない」と述べる一方、「当初は不安に脅える毎日だった」と胸の内を明かした。「拉致を深刻に考えると生きていけないし、耐え切れなかった。家庭をつくり、子供を育てる過程で希薄化し、過ぎたことだと考えるよう努めた」と特異な環境で揺れた思いをにじませた。

 帰国後は親の苦しみ、関心の高さを知り、「拉致は国家的な問題、深刻な犯罪」と感じるようになったという。政府のチャーター機に驚き、「歓迎ぶりは想像を絶するものだった」と述べた。「お土産に酒をたくさん持ってきたので税関に引っ掛かるのではと心配したが、税関どころか貴ひん室に通され、びっくりした」というエピソードまで披露した。

(2002/12/28)

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