映画界最大の栄誉とされる第71回米アカデミー賞が21日、ロサンゼルスで発表され、両親が西山町出身の女性監督・伊比恵子さん（32）＝米国在住＝が短編ドキュメンタリー賞を射止めた。日本人のアカデミー賞は第65回で衣装デザイン賞に選ばれた石岡瑛子さん以来。日本人としては9人目の受賞だ。

　伊比さんの両親で現在東京在住の亨さん、一恵さんはともに西山町の出身。亨さんは柏高、一恵さんは常盤高を卒業している。恵子さん自身は東京で生まれ育ち、日本女子大2年の1987年に「ミス日本」に選ばれた。一時は女優を志したが、本場で演出などを学びたいと、91年に渡米した。

　受賞作品は、ニューヨークでアマチュア劇団をつくるユダヤ系米国人のお年寄りを記録した「ザ・パーソンズ」。ニューヨーク大大学院の卒業制作として取り組んだものという。

　ふるさと西山で、めいの朗報を聞いた父親の妹・山田智子さん（61）＝同町大崎＝は、「（恵子さんは）小さいころは海水浴などに来ていましたが、素直でかわいい子でした。ニューヨークへ行ってからは全然会っていないけれど、本当にうれしいです。テレビで見る限りですが、高齢者をテーマにしており、着眼点のいい作品だと思います。いつごろ映画が配給になるんでしょうか、ぜひ見てみたいですね」と喜んだ。

(1999/ 3/23)

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