園児の激励を受け、次々と出発する除雪車=22日、市内藤元町の市除雪基地 (2024/11/25)
海外青年協力隊として派遣される小林虹矢さん(右)と中西千里さん(左)。桜井市長から激励を受けた=22日午前、市役所市長応接室 (2024/11/22)
昭和天皇の食事を再現した「秋幸苑の夕べ」。参加者は見頃の紅葉とともに味わった。中央奥が第15代当主の飯塚さん=17日、市内新道の飯塚邸 (2024/11/21)
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西川市長は17日、市の平成12年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は383億円で、今年度当初を24億7000万円、6.1%下回り、3年ぶりのマイナス予算となった。介護保険特別会計の新設による一般会計からの一部移管や、起債を大幅に抑えたことが主な要因だ。平成2年度以来10年ぶりに地方交付税(普通交付税)の交付団体に戻る。歳出では少子化・子育て対策を重点に打ち出すなど、「ハードからソフト」への移行が一層強まったとした。7つの特別会計と2つの企業会計を合わせた総額は757億円に上り、過去最高。これら予算案は24日の市議会2月定例会本会議に上程される。
一般会計の歳入の柱である市税は、原発固定資産税が今年度より約10億円減、市民税も景気低迷の影響などで減収が見込まれ、全体で17億円近いマイナスとなる。
柏崎の予算を特徴づけている原発財源は、固定資産税が減るものの、電源立地特別交付金五億円と、核燃料税地元配分の原子力発電施設立地市町村振興交付金2億900万円が新設。従来からの立地地域長期発展対策交付金6億5000万円などと合わせて103億8000万円、今年度比1000万円の減にとどまった。
交付団体への復帰は、税収の減などにより、基準財政収入額が同需要額より少なくなるためで、地方交付税は普通交付税と特別交付税を合わせて11億5000万円を見込んだ。
また市長は、中長期的な視点から財政健全化に努めたことを従来以上に強調。具体的には、市債を20億円以下に抑制して、今年度より13億4000万円(41.2%)減の19億1600万円としたほか、今年度当初では見込んだ財政調整基金の取り崩しは行わないことにした。ペースダウンしている公共用施設施設維持管理基金の積み立ては辛うじて5000万円を計上した。
歳出では、第3次長期発展計画・後期計画の初年度として少子化・子育て対策、教育に例年以上の重点を置くとしたほか、介護保険実施と並行した福祉施策の充実や、景気対策、環境対策の推進も同様に重点に挙げた。
子供関係は、新規で「子ども育成基金」の積み立てをスタートさせ、初年度は2600万円。幼児費医療費助成として4歳未満児1/2助成全額3600万円。ファミリー・サポートセンターの新設や子供の虐待防止事業にも取り組む。
福祉では、介護保険対象外の老人世帯にヘルパーを派遣する高齢者自立支援家事援助サービス事業に4000万円計上したのをはじめ、介護者の冠婚葬祭・病気・事故時のショートステイ、鴨池ケアハウス建設、介護マンパワー育成支援、介護者リフレッシュ委託事業など新規施策が多い。
商工関係では、創業支援事業費補助金、柏崎21世紀産業構造戦略プラン策定も盛り込んだ。東本町まちづくりA1棟の公共部分となる産業交流センターの取得に6億3200万円。A1棟はほかに、市民学習プラザの取得13億4000万円も計上した。景気対策として、経済景気対策特別資金を今年度と同額の15億円確保。環境対策では、プラスチック容器・紙製容器の分別収集開始、低公害マイクロバスの導入などがある。
他の新規事業では、一連の市制60周年記念事業に4億400万円、新潟工科大学大学院博士課程新設補助金1億5000万円、柏崎小大規模改造に4億4000万円、産文会館文化ホール改修に5000万円など。県が行う原子力災害対策のオフサイトセンター設置とは別に、原子力防災専門家1人を委嘱する。一方、田島簡易水道の上水道統合を3カ年計画で開始し、農業集落排水は新たに谷根地区で事業展開を図る。
一般会計の分野別歳出を見ると、土木費が、東本町まちづくり関連の減などで33.9%減の64億円。逆に教育費は柏崎小大規模改造や市民学習プラザ取得などが加わって43.8%増の53億円に膨らんだ。普通建設事業費は単独・補助とも今年度を下回り、総額で17億円減の81億円だが、下水道事業や農業集落排水事業での増などで市全体の公共投資額を維持するよう努めたとした。
(2000/ 2/17)
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