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市議会2月定例会は、24日開いた2日目の本会議で、西川市長の新年度施政方針演説と、相沢教育長による教育委員会の教育方針演説が行われた。市長は演説の最後に「21世紀初頭の柏崎市を『開拓』していくとの気概で、新年度も勇をもって処していく」と述べ、今年11月に行われる市長選への3選出馬に意欲をにじませた。教育方針演説は今年から取り入れたもので、県内自治体でも初めての試みだ。
市長の施政方針演説は約50分間にわたって行われた。柏崎市の置かれた状況について、市制60周年の節目を迎えた半面「将来が必ずしも安泰にして保証されたものでないことも銘記しておくべき」と指摘。具体的には原発建設の完了とほぼ時期を同じくしながらの経済不況の深刻化、鉄道高速化時代における立地上の問題点などを挙げ、その閉そく感の中で「当市が21世紀に向けて大きく掲げるべき『旗』を懸命に模索中であるとの感が強い」と述べた。
一方、施政方針演説が2期目最後の8回目となったことに触れ、「市政運営に渾(こん)身の努力を重ねてきたつもりだが、同時に自らの能力や手法がすべてに受け入れられるわけではない」と述懐。その上で「21世紀初頭の柏崎市を『開拓』していくとの気概で」とうたい、新年度の施政に議員・市民の理解と協力を求めた。
新年度予算案の考え方としては、起債抑制と財政調整調整基金取り崩しの自制を強調。第3次長期発展計画・後期計画スタートの年に当たり、少子化対策や子育ての分野、介護保険実施と並行した高齢者福祉対策に「例年以上の意識」をもって臨み、産業支援の新機軸にも意を用いたとした。また東京都が打ち出した外形標準課税を例に挙げ、自治体が課税自主権を生かすことについて柏崎市も「可能性を真剣に考える時代が来た」と言及した。
施策の重点は、「少子化・子育て・子供の教育」など7つに分けて述べ、予算案に盛り込んだ具体的な事業・施策を列挙した。その中で、市の将来プロジェクトとして議論が高まっている学園まちづくり事業については、「地権者の協力をいただきながら土地の取得を本格化するとともに、必要な準備作業を着実に進めていく」とした。
原発をめぐっては、東海村臨界事故やMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の検査データねつ造問題を「暗たんたる思いで見守っている」とする半面、原子力災害対策特別措置法成立など原子力関連法の整備を評価。芦浜原発の計画撤回についても「関係者に与える影響は少なからぬものがある」としながらも、「地球温暖化 防止や発電コストなどの面から、原子力発電所に代わる有力なエネルギー源は依然として見当たらない」と述べるなど、原発の必要性を認める立場を改めて示した。
(2000/ 2/24)
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