PHOTOニュース

春風に乗り、よしやぶ川の川沿いの桜とコラボで楽しませるこいのぼり= 15日、市内松美町地内 (2024/04/16)


見頃を迎えた里山のハナモモの花=15日午前、市内谷根 (2024/04/15)


青空の下、満開のソメイヨシノを楽しむ市民ら=13日午前、赤坂山公園 (2024/04/13)

>>過去記事一覧
工科大で70歳の院生が修士論文発表

 新潟工科大学の大学院工学研究科修士課程で研究を続けた70歳の院生・吉田晃さんが20日、2年間の総まとめとして修士論文の発表を行った。学内の審査委員会、研究科委員会を経て、修士の学位授与が判断される。

 吉田さんは静岡県浜松市で打ち放しコンクリート仕上げ技術を展開する「ニチエー吉田」の社長。40年余り、試行錯誤で確立した独自の工法を学問的に裏付けたいと、2年前、同工科大大学院に入学した。1年目は毎週2泊3日で、2年目は月数回、浜松から往復10時間をかけて柏崎に通い、研究を重ねた。

 論文発表は情報系、機械系、建築系の11件を3日間で行った。吉田さんは最終日の建築系で最後の発表。打ち放しの仕上げシステムを設計・施工・維持保全のライフサイクルとして提案。経年劣化による表層面の補修材料、工法の開発を写真とデータで示した。仕上げ時の色調、質感が分かるようにと考案した見本のパネルを示し、業界関係者の質問に「打ち放しは建物ごとに色合いが違う。仕上げはそのつど判断していく必要がある」と答えた。

 穂積秀雄教授は「化学と風合い、色合いの美しさの研究。それが素晴らしい」と評価。地濃茂雄教授は吉田さんの労をねぎらい、「学問に年齢、経験は関係ない。大事なのは気持ち。課題解決に向け、さらに前向きに研さんを」と学生たちを励ました。 吉田さんは発表後、「周囲の励まし、指導のおかげで論文発表までこぎつけることができた。若い人に交じって研究し、これまでの仕事を系統的にまとめ、学術的に裏打ちできたのは大きな収穫だった」と笑顔をのぞかせた。3年生は「さすが院生の発表と感心した。レベルの高さを感じた」と述べ、4年生は「吉田さんの40年もの研究の熱意、実績が伝わってきた」と話した。

(2003/ 2/21)

※柏崎日報社掲載の記事・写真は一切の無断転載を禁じます。


すべての著作権は柏崎日報社および情報提供者に帰属します。新聞記事・写真など、柏崎日報社の著作物を転載、利用するには、原則として当社の許諾を事前に得ていただくことが必要です。掲載についてのお問い合わせは、お電話 0257-22-3121 までご連絡ください。