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東京電力柏崎刈羽原発のトラブル隠しに伴う点検結果などをめぐり、経済産業省原子力安全・保安院が21日夜、地元住民向けの説明会を市民会館大ホールで開いた。保安院は安全性を確認する同院の立場を強調したが、停止号機の運転再開の見通しには言及しなかった。会場からは、トラブル隠しを見抜けなかった保安院に不信の声が上がり、点検方法などで議論が平行線だった。
原発の地元説明会は14日の刈羽村議会を皮切りに始まったが、住民向けは21日が初めて。市民を中心に約400人が参加した。佐々木宜彦・保安院長はトラブル隠しについて「原子力の安全規制行政への信頼を損ねたことを立地地域の皆さんと国民におわびしたい」と述べた。保安院側は柏崎刈羽原発の点検結果と健全性評価、再発防止のための国の取り組みを説明。同原発で相次いで確認されているシュラウド(原子炉内隔壁)と再循環系配管のひび割れについて、「シュラウドのひびは5年間運転しても問題ない」などと述べた。
質問用紙と発言の2通りで行われた参加者からの質疑では、「健全性評価は事実上の安全宣言か」と運転再開との関連をただす声があったが、保安院は「個々の機器の健全性評価を示したもので、トータルの安全宣言でない」とし、「規制の立場で安全を確認する責任はある」と繰り返し述べた。
一方、原発反対の住民からは「東電の隠ぺいを発見できなかったのに、『安全だ』『健全だ』という話ばかりでは納得できない」「再循環系配管などはすべて点検せよ」と厳しい意見が相次いだ。保安院は「検査能力を上げる努力を着実にやっていく」と理解を求め、配管点検をめぐっては「今後5年間で100パーセント調べる。すぐに点検が必要な個所とそうでない個所がある」と説明し、質問者との間で議論となった。この日は市議会にも説明が行われたことから、祝日に慌ただしく住民説明会を開催したことに対しても「自分たちの都合ばかりだ」と批判の声が上がった。
説明会は終了予定時間を大きく超え、4時間半に及んだ。終了後、佐々木院長は「精いっぱい説明させてもらったつもりだ。保安院への不信は真摯(し)に受け止める」と述べた。運転再開については「規制当局はスケジュールを持っていない。何を確認したかは申し上げるが、それを超える判断を行う立場ではない」とし、また、今回のような対話形式の説明会を柏崎で再度開くことには消極的な姿勢を見せた。
住民説明会は、やはり保安院が23日に刈羽村ラピカで、東電が26日にラピカ、27日に産文会館で開催する。
(2003/ 3/22)
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